30人が本棚に入れています
本棚に追加
芋虫君は目を覚ましました。
暗い殻を突き破り、外の世界へと足を踏み出します。
僕は、どうなったんだろう……
自分がどう変わったのか確認しようと、芋虫君は自分の体に目を走らせました。
しかし、首や体がいつもより曲がらず、思うように見ることができません。
とりあえず、背中に生えた羽を使い、芋虫君は空へと飛び上がりました。
そのまま草むら学校に向かって飛んでいくと、コオロギやカマキリなどの他の虫がいました。
今まで芋虫君の悪口ばかり言っていた他の虫たちは、向こうから飛んで来た芋虫君を見て、口をそろえてこう言います。
『なんて綺麗なんだ……』
なんだ? 僕はどんな姿をしているんだ?
芋虫君は、やがて大きな水たまりを見つけて、そこに自分の姿を映しました。
そして、そこに映る自分の姿を見て、芋虫君は息を飲みました。
最初のコメントを投稿しよう!