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○○○
右バッターボックスに立つ純平。その純平がバットを突き出し大声を出す。
「やい新入り! 今から俺が本物のエースだという事みせてやるかんな! 覚悟しやがれってんだ!」
「早く構えろバカ」
後ろから純平に毒を吐く敬太。
「うっせーよ敬太。これは俺と新入り、男と男の戦いだ、部外者は黙って--」
「はよ構えんかい純平」
「はいすいません」
鷲田監督の言葉にはほいほいと従う純平、敬太はやれやれとため息を吐く。
構える純平。その構えから、野球素人のシンにすら威圧感を与えた。このバッターはやばい、と。
一瞬怖気づきそうになったシンだが、目の前でキャッチャーミットを構えている敬太の姿を見て思い出した。
--相手関係なくただ俺のミット目掛けて投げてこい。
その言葉を胸に、シンは大きく振りかぶった。そして、第一球を放つ。
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