第03話-神郷イエロードンキース-

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 しかし結果はまたも大暴投、その次の球も大暴投。勝負の結果はフォアボールとなり、結果的には純平の勝利である。  結果的には。 「純平、こいつの球見て分かっただろ? エースはあいつだ、あいつしかいねぇよ。あの星野と河下に投げ勝てるピッチャーはな」  敬太が純平に言った。純平は聞こえているはずだが返事を返さない。 「おい聞いてんのか」 「すげぇ」  体をぷるぷると震わせている純平。敬太が「は?」と声をもらすと。 「すっげぇよお前! まっじすげぇ!」  そう興奮しながら、マウンドでフォアボールを出してへこんでいたシンに駆けよった。そしてシンの両肩を掴み激しく揺さぶりながら話しかける。 「お前がいたら絶対、代表決定戦に勝てるぜ! 一緒に頑張ろうぜ!」 「えっと、あ、うん、が、頑張ろう」  フォアボールを出してしまったにも関わらずのこの言葉に目を丸くするシン。どうやら彼自身は自分の投げる豪速球に気づいていないようだ。  自分の投げる球の凄まじさに。
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