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「俺はこのチームのスーパースラッガー、 岩村純平【イワムラジュンペイ】だ」
つい先ほどまでエースだのなんだのかんだの言っていたのに、都合の良い男である。
「新入り、お前の名前は?」
「え? 僕の名前?」
「そう、お前の名前」
ここでようやく、シンは自己紹介をしていない事に気づく。
「え、えっとですね……シンです」
「え? 何て? ぼそぼそ言ってるから何て言ってるか聞こえねぇよ、もちっと大きな声でぷりーず!」
シンがもう一度自分の名前を言う。
「シンです--新庄心。北小学校の、六年生です」
○○○
装備していたキャッチャー道具を外している敬太に夏鳴が近寄った。
「めーっちゃ凄かったよね! シンくんの球!!」
「ああ、想像以上にな。つーかあいつ、シンって名前なのか?」
「んっとね、確かそうだよ」
そこそこ曖昧な夏鳴の記憶だった。
「本名は新庄心というらしいぞ」
そこへ鷲田監督が話に割り込んで来た。
「どうじゃ 津田 敬太【ツダケイタ】キャプテンよ。あやつの球を近くで見た感想は」
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