第01話-新庄 心-

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 神童の少年達は様々な形でプロの選手達を抑えてきた。しかし、最後にして最強の神童、神藤誠はそれらを凌駕する投球を見せた。  全打者手も足も出ない三球三振。  手も足も出ない。一流のプロ達が、一人の小学生にである。まさに、最強の神童と呼ばれるに相応しい投球だった。  テレビの前でその投球を見ていたシンは鳥肌を立てていた。同じ年齢の少年がプロ相手に快刀乱麻の投球をする姿は強烈に印象に残った。  神藤誠のみならず、他の神童達の投球もである。  だがしかし、シンの心に最も響いたのは、その投球ではなく。投球後の神藤誠のインタビューである。  その神藤誠のインタビューとは。 『僕は去年野球を始めるまでイジメを受けていたんです、いつもうじうじうじしてて楽しくなくて、一時は死のうかな的な事も思ったりしました。ですが--  野球と出会ってから、僕は変われました』  この言葉に、シンは心を激しく撃ち抜かれた。そんな事など知らず、テレビの中の神藤誠は続ける。 『自分を救ってくれた野球に、感謝しています』
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