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あれから健太郎は何事もなかったように私に接してくれる。
健太郎のバイクにも。
私はまだ乗ったことがない。
たまに友達に送る程度の軽い内容のメールが来て、それに返信する程度。
私にプレッシャーを与えないようにしてくれてるんだろう。
私はそれに甘えて。
ズルズル時を過ごしてる。
でも私の中で健太郎の存在は確実に大きくなっていって――。
メールが鳴るのを待ってる自分がいる。
顔をほころばせて返事を打ってる自分がいる。
そうして淡い恋心を育てながら。
ずるい私は待っていたのかもしれない。
私がこのバイトから卒業するのを。
健太郎とバイト仲間じゃなくなるのを。
そんな逃げてばかりの私に、ついに罰が下った。
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