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「お…………ろ」
ん?なんだ?
「お…ろ……ろ」
ああ……なんか暑いな。
クーラーきいてないのかな?
「おき………ろ」
はあ……。
なんかうるさいし。
「おきろおきろ!」
「……ん……え?うわっ!なんだ!!?」
俺は耳元から聞こえる怒鳴り声で飛び上がる様に起きる。
「やっと起きたかあ!全くめんどくせーなあ」
誰かが俺に話しかける。
「ん?……だ……誰だお前!」
俺の目の前にいた人物は妙な格好(どっかの民族衣装)をしているかなり小柄な人物だ。
小学生か?
てかここは……テント?
「誰だとは失礼だな!俺はお前が砂漠のど真ん中に倒れてやがったからわざわざここまで運んできてやったんだぞ!」
小柄な男はかなり早口で俺を怒鳴り散らす。
「砂漠?何いってんだよお前……鳥取砂丘にでも倒れてたってか?馬鹿馬鹿しい」
「鳥取砂丘?なんだそれは?」
ほらな……。
だからガキは。
戦隊ゴッコなら他でやれっての。
はあこんな子供はほっといて家に帰るか。
俺はテントのファスナーに手を伸ばす。
「おいどこに行くんだお前!」
男が無視する俺を慌てて止めようとする。
「あ?帰るんだよ」
「は?帰るってここはまだ……」
俺は男が止めようとするのを無視してテントを開ける。
まったく。
ジー
「……は?」
テントのファスナーを開けた俺は思わず声が漏れる。
「だから言ったろ?ここはまだ……」
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