Start of travel

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「嘘だろ?」 俺は目を大きく見開き心臓がバクバクと高鳴る。 「ここはまだ砂漠のど真ん中だよ」 小柄な男が呆れたような声でそう言い放った。 そう俺がみた光景はこいつの言うとうり砂漠だ。 映画でしか見たことが無いような嫌に成る程永遠に続く砂漠……。 どうなってんだ? 「なんでこんな所にいんだよ!!」 「なんでってわがままいうなよ!仕方ないだろ?俺は一応砂漠の盗賊団の支部団長ピッツ様なんだから!」 ピッツと名乗る小柄な男は、そう言うと偉そうに胸を叩いてみせた。 「そういう事じゃねえよ!いやてかなんだ砂漠の盗賊団て!」 「なんだあ?砂漠の盗賊団知らねえのかよ?どんだけ田舎者だ」 「盗賊て事はお前悪い奴か!て事はお前俺を誘拐して……!」 ん?ユウか……い? ……う……なんだ、あたまが。 「あ?どうしたお前……言っとくが盗賊は盗賊でも俺達は」 「うわああああああ!!!!!」 「はあ!?なんだお前突然!!狂ったか!?」 全部……全部思い出した……俺はこんな事をしてる場合じゃねえ! 「おいお前!俺の仲間を知らねえか!?」 俺はそう叫びながらピッツの肩を思い切り揺らした。 「仲間あ?砂漠に倒れてたのはお前一人だよ。」 やっぱりだめか! だけど落ち着け……どうやらこいつのお陰で助かったのは確かみたいだな。 「おいピッチ!」 「ピッツな。なんだ?」 「お陰で助かった。ありがとう。じゃあ俺もう行くわ」 俺はピッツに軽くお礼を言う。 そして俺は再びテントの外に出た。 ふうー。とりあえず急ぐかな……。
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