Start of travel

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ピッツがなにやらジークの説明をしているが、俺はそんなのきいてる余裕はない。 そんな事はどうでもいいから早く降ろして!! 周りの景色が少しも見えない程のスピードでジークは空をかけぬかている。 「ガハハハ!驚いて声も出ないか!おいお前!下を見てみろ!もう村は見えてる!」 馬鹿見れるか!てかはや! 「は、はやく降りてくれー!」 俺は必死の思いでピッツに叫ぶ。 「よおしジーク着陸してくれ」 【ブワァァアアアアアアアア!!】 ピッツの命令でジークはまた雄叫びをあげて、ゆっくりと翼をばたつかせて着陸し始めた。 大きな翼をばたつかせたせいで砂漠の砂が広範囲に分散する。 「よっと……ありがとなジーク。おい、お前も降りて来いよ」 ピッツが俺に手招きをする。 はあ……死ぬかと思ったが無事村にたどり着いて良かった。 「お……おう。」 俺は今にもはきそうな顔で、ジークから飛び降りた。 結構高いところから降りたせいか、少し足に痛みが来る。 「少し歩くぞ。ジークで村の近くまで行ったら村に迷惑だからなあ。ジークはここで待ってろ。」 そういいながらピッツは、ジークにこれまた馬鹿でかい首輪をつけて近くの丁度いい木に繋ぐ。 ジークはなんの抵抗も無く木に繋がれて砂地で休み出していた。 今気付いたが確かに村まではもう少しあるな。 「おう」 俺とピッツは村に向かって歩き出した。 「なあそういやお前名前は?」 不意にピッツが喋りだす。 「ん?あぁ怜だ。桃城怜よろしくな」 「おうよろしく!つかお前その木刀は何処で手に入れた?」 そういいピッツは俺の腰に刺してある木刀を指差した。 そういや腰にさしたまんまだったな。 この木刀は廃病院で手に入れた木刀だ。 「これはまぁ色々とな」 「へえー。その木刀はあんまり手放さないほうがいいぞ。」 ピッツは俺の目を見ず木刀に目をやる。 「は?なんでだよ……。これがそんなに貴重なやつなのか?」
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