Start of travel

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「あぁ多分な」 ピッツの口元が少し緩んでる。 「多分て。だけどこんな木刀どこにでもありそうだぞ。なんでそんな事が分かるんだ?」 「言ったろ!俺は盗賊だぞ!その木刀は……なんかお宝の匂いがする」 そういうピッツの顔は少し得意気だった。 なんだ。ようするに勘てことか。 だけど俺はなにかと優しくしてくれるピッツに、軽く心を開き今まであった事を少しだけ話した。 なぜ仲間がバラバラなのか,なぜ砂漠に倒れていたかを 俺の知っている限り簡単に話した。 「へえー。信じられねえ話だな……。」 ピッツが顎をさすりながら呟く。 当然だ。いやむしろこんな話しを聞いてそんな反応なのはむしろ大人だ。 ピッツが住んでる世界は作られた世界て事になるんだからな。 「あぁ」 「まぁ元気だせよ怜!なんだかんだ村はもう目の前だ」 ピッツはほんとに理解したのか分からないが俺に笑顔を見せる。 「だな。とりあえずどうするか」 仲間を探すっつても何もアテがないしな。 「そんなの決まってるだろ!村の人に聞いて回ればいいんだよ!」 ピッツが落ち込む俺に対し、自信満々に言う。 「いやあのなあ……なんて聞けばいいんだよ? 俺の仲間知りませんか?ってか? なにか特徴を伝えるにもそんなんで見つかるとも思えないし。 第一特徴なんてあてにならないだろう?」 俺はピッツに呆れた顔で言い返した。 「いや見つかるだろ!そんな変な格好してる奴らお前かお前の仲間ぐらいだろ!?」 ピッツはまたしても自信満々に言う。 俺はふと自分の服装とピッツの服装を見比べた。 ……………。 確かに全く違うな。 俺は下はジーンズ 上はティーシャツ。 その上からピッツから借りた日焼け防止のマントをつけているだけだ。
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