Start of travel

17/25
前へ
/1510ページ
次へ
ドアを開けると、随分殺風景なホテルという事が分かった。 ドアの先のカウンターには店員らしきおじさんがたっていた。 「ん?いらっしゃい……ってピッツちゃんぢゃないか!」 宿屋のおじさんはピッツをみるなりかなり嬉しそうな声をあげる。 「おう!宿屋のおっさん!」 ピッツもそれに対して笑顔で返しカウンターに近づいていく。 またか。また、ピッツと村人は仲が良いみたいだ。 「今日は少し聞きたい事があるんだが」 続けてピッツが宿屋のおじさんに聞いた。 「聞きたいこと?なんだい?できるだけ協力するよ。ピッツにはいつもたすけられてるからなー」 宿屋の店主が笑顔で答える。 助けられる?盗賊に助けられる村。変な感じだな。 だがおじさんの笑顔は本気でピッツを信頼している様な顔だ。 「ああこの宿に」 「おいおやっさん!酒が足りへんわ!」 ピッツが宿屋の店主に話しかけようとしたところ、突然二階から大きな声がした。 ん?なんだ……。 「おおすみませんお客様。すぐに」 その声に反応した宿屋の店主が慌てた様子で対応しようと、カウンターの下にあるお酒を用意しようとする。 俺はそれを見た後に、とりあえず声のした方を見上げた。 「え?」 俺は声を出した人物を見て思わす声が漏れた。 その人物は俺が探していた人物そのものだったからだ!
/1510ページ

最初のコメントを投稿しよう!

601人が本棚に入れています
本棚に追加