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ドアを開けると、随分殺風景なホテルという事が分かった。
ドアの先のカウンターには店員らしきおじさんがたっていた。
「ん?いらっしゃい……ってピッツちゃんぢゃないか!」
宿屋のおじさんはピッツをみるなりかなり嬉しそうな声をあげる。
「おう!宿屋のおっさん!」
ピッツもそれに対して笑顔で返しカウンターに近づいていく。
またか。また、ピッツと村人は仲が良いみたいだ。
「今日は少し聞きたい事があるんだが」
続けてピッツが宿屋のおじさんに聞いた。
「聞きたいこと?なんだい?できるだけ協力するよ。ピッツにはいつもたすけられてるからなー」
宿屋の店主が笑顔で答える。
助けられる?盗賊に助けられる村。変な感じだな。
だがおじさんの笑顔は本気でピッツを信頼している様な顔だ。
「ああこの宿に」
「おいおやっさん!酒が足りへんわ!」
ピッツが宿屋の店主に話しかけようとしたところ、突然二階から大きな声がした。
ん?なんだ……。
「おおすみませんお客様。すぐに」
その声に反応した宿屋の店主が慌てた様子で対応しようと、カウンターの下にあるお酒を用意しようとする。
俺はそれを見た後に、とりあえず声のした方を見上げた。
「え?」
俺は声を出した人物を見て思わす声が漏れた。
その人物は俺が探していた人物そのものだったからだ!
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