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どうするって。
………この世界をぶっ壊す……
とは言えないよな。
そんな事言ったらピッツがそれを簡単に許すはずがない。
俺は仕方なく適当に言葉を返す事にした。
「一緒に冒険でもしながら帰る方法でも探そうかと……」
「は?冒険ん?お前はガキか!
だいたいお前の言うとうりアイツがホントにお前の仲間なら
明らかにアイツ記憶喪失じゃねえかよ!」
ピッツは更に怒鳴り声をあげる。
が俺はピッツに色々よくして貰ってるせいもあるしあまり怒り返せないし、怒り返す理由も言葉も出ない。
ピッツは短気だな。怒鳴ってばかりだ。
「鋭いな……。お前の言うとうり多分アイツは記憶を無くしてる」
「あ?そうなのか?なんでだ?」
俺がピッツに応えると、ピッツは申し訳なさそうな顔をする。
どう考えてもやはりピッツには想像する盗賊らしい悪を感じない。
「まぁ色々と……。アイツだけじゃなくて他の皆もな」
「他の皆?お前の仲間は何人いんだ?」
ピッツは眉間にシワを寄せた。
「16人……。」
俺はボソッと答える。
「え?はあ?そんなにいんのかよ!仲間探すのも大変なのにいちいち記憶を取り戻させてたら何年かかるんだよ!」
ピッツは俺の予想通りの反応をした。
逆の立場だったら俺もそうなるしな。
「確かに……絶望的だなあ。」
「そ……そんなテンション下がんなよ。」
「あぁ」
俺は心なくピッツに返した。
やばいな。本当に絶望的だ。
俺達が現実に帰れる日はくんのかな。
なんか早くも心が折れそうだ。
でも俺が諦めたらそこで俺達はおわっちまうんだ。
「……仕方ねえ。諦めよう」
俺と同じく何故かピッツのテンションも下がっていた。
「……それは駄目だ。どんなに絶望的でも俺は仲間を集める。いや集めないといけない」
自信は無いがやらなかったら何も始まらないし。
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