Start of travel

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うーん盗賊が村人から信用があるって事は……。 あ、もしかしてピッツは。 「おいなにボーとしてんだ!行くぞ!」 ピッツが俺が少し考えてる間に急かす様に呼んだ。 もうついたのか。 まあ階段登ってすぐみたいだからな。 俺が少し遅れて部屋の前につくと、ピッツがなんのためらいもなくドアをノックした。 少し待つとドアの向こうからははっきりと大の声が聞こえた。 「誰や?」 「大か?すまない開けてくれ」 俺はノックをしたピッツの前に割って入り大に呼び掛けた。 「あ?またお前か。なんや用か」 「話が長くなるから入れろっての!」 「あ?なんやねんおまえ……まあええわ」 ピッツが大に対して怒ったような口調でいうが、大はどうでもいいのかドアに手をかけているのが分かった。 少し分かってきたが、ピッツは結構せっかちな性格みたいだ。 まわりくどいのは苦手でまっすぐしてる。 そこは見た目通り子供って感じだな。 俺がそんか事を考えていると、とうとうドアが開く。 続けてドアが開いたその先から大が顔を出した。 「そのかわり話しがすんだらとっとと帰るんやで」 大は不機嫌な表情で俺達に言った。 まぁ当たり前の反応だ。 むしろ突然見ず知らずの人に、話があるから中に入れろ!なんて怒鳴られても普通はいれないだろう。 俺とピッツは軽く返事をして首を縦にふった。 「じゃあ入れや」 「おう」 俺達は靴を脱ぎ大の部屋に入った。 大の部屋は割とせまく見たところ部屋は一つしかないみたいだ。 その部屋にソファやベット、机がおいてあるだけの殺風景な部屋だ。 まぁこんな小さな村だからこのくらいが妥当なのか? 「で……なんや話して。さっきも言ったが俺はお前なんて知らんで」 大がソファーに腰を掛けて言った。 「いや……。その話しじゃないんだ」 「あ?」 大の表情が変わる。 俺たちもソファの対面においてある椅子に腰をかけた。 「少し聞きたい事が……大はなんでこの村にいるんだ?」 「ん?なんやねん。その質問。まぁ別に隠す必要もあらへんがな。まぁ旅人っちゃーか色々や。なんでや?」 大は少し俺たちに対する警戒を解いたのか、先程より優しい顔になる。 「なんだそれ」 ピッツが小声でいう。 ピッツははっきりしないのも苦手らしいな。
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