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「おいピッツ!いいのか?砂漠の盗賊団はお前の仲間だろ?」
俺は部屋を出てすぐにピッツに問いかけた。
いくら今日あったピッツといえど、俺の為に仲間を裏切らせるのはだめだ。
「ん?あぁまぁ仲間は仲間だけどアイツはいいんだ」
ピッツは自分の頬を軽くかきながら言う。
は?
「まあ聞け。簡単に説明すればそもそも砂漠の盗賊団て言うのは元々一つの義賊団体だったんだ」
「義賊?」
義賊……って確かいい盗賊だよな?
「あぁ昔とある砂漠に一つの王国があったんだ。その王国は貧富の差がかなり激しくてな。
まぁその王国の貴族達はやりたい放題だ」
「…………」
ピッツが説明を始めたので俺は黙って聞いている。
「その貴族達の余りの身勝手さに嫌気が差し立ち上がった男。
それが砂漠の盗賊団初代総団長シャライヤ様だ」
「シャライヤ?」
「あぁシャライヤ様はあらゆる悪どーい貴族から金品を奪っては貧しい人々にばら蒔き続けていた。
ま、義賊行為だな。
その噂を聞き付けて何人もの人がシャライヤ様に共感を抱き協力するようになった。
俺もその1人だ。そうして出来たのが砂漠の盗賊団なんだ」
「成る程……。」
「だけどいくら義賊でも盗賊は盗賊だ。
砂漠の盗賊団を結成してわずか三年でシャライヤ様は逮捕され終身刑になっちまったんだ」
ピッツの元気があきらかに無くなる。
「終身刑!?」
俺はシャライヤと呼ばれる人物の余りの罪の重さに少し驚きの声をあげた。
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