恋するキモチ 前編

12/28
2646人が本棚に入れています
本棚に追加
/28ページ
「ど、どうして?」 「どうしてって、一度も頼まれてないから」 「そんなことって、ありえる話なの?」 菜穂は理解できないという様子で眉をひそめた。 「実は私も、前の彼にいつもするように言われていたことだから、樹利もすぐに言い出すんだろうなって、どこかで覚悟みたいなものをして来たんだけど、今まで一度も頼まれたことがなくて……」 「そ、そうなんだ、そうだよね、頼まれてもいないのに自分からしないよね」 呆然と呟く菜穂に、思わずプッと笑った。
/28ページ

最初のコメントを投稿しよう!