恋するキモチ 前編

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――― ――――― ―――――――― その後、授業を終えて、バイトに向かうべく大学構内を歩いていると、 「あれ、桜木?」 と横から声がした。 驚いて顔を向けると、そこには高校時代のテニス部の先輩・清水が笑顔を向けていた。 「清水先輩!」 「桜木、ここの大学だったんだ」 「清水先輩こそ、この大学ではないですよね?どうしたんですか?」 懐かしい先輩に声を弾ませて尋ねると、 「今日、ここの大学のテニスサークルと合同でゲームをして……。 そういえば桜木、お前テニスサークル入ってないんだ?」 と清水先輩は確認するように顔を覗き込んだ。 「テニスは高校で卒業です。素質もなかったし。今は違うサークルに入ってて」 バツの悪さを感じながらそう言うと、 「今はなんのサークル?」 と清水先輩は自分がテニスをやめたことなんて気にもしていない様子でそう尋ねた。
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