ある兄妹の話し

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「ぅお!」 男は意表を付かれ、バランスを崩している。 そのまま男の顔面に肘をぶち込む! 「ッラァアア!!」 間髪入れずに全体重をかけ、男を背後へ押し倒した。 「ガッ…このっ!」 男はようやく反撃しようとしたが… …遅ぇよ! ツバサは男に馬乗りになると、その顔面を思いっきり殴りつけた! まずは1発! 殴った右のコブシが痛んだが無視する。 2発! 今度は左。 男の歯にでも当たったのか血が飛び散る。 男は腕を交差させてガードしようとしている。 だったら3発目は側頭部を狙う! 「グゥ…ッ」 横からの衝撃にガードが緩んだ。 「ゥラアァァ!!」 緩んだガードの隙間から眉間に渾身の4発目を叩き込む。 俺は動かなくなった男を見下し、立ち上がる。 「…はぁ…はぁ…はぁ…… テメェらの都合で、俺の妹 狙ってんじゃねぇよ!」 辺りを見回す。 カスミを運んでいた男達の姿はどこにも見えない。 「…クソッ」 カスミは俺が守る! 俺は男達が消えた森の中へと走り出した。
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