ある兄妹の話し

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昔、考えた事がある。 守りたいものを守る為には何が必要なのか。 どうすれば守り通せるのか。 答えは出ていない。 結局の所、自分をどんなに強くした所でそれ以上の強さには勝てない。 その強さとは、腕力だったり、武器だったり、組織だったり…。 …それでも! …俺が守ると決めたんだ。 例え神であろうと、カスミに手だしさせるかよ! 男達はすぐにみつかった。 あの廃墟からそう離れてはいない場所に車で来ていた。 …人数は、5人…か。 5人全員が黒い。 …この表現が一番合っている。 黒のスーツにサングラス。 …全く、こんなに見るからに怪しい奴らも珍しいもんだ。 廃墟にいたあの男。 アイツの言った事はムカつくが正しい。 5人相手に殴り合いで勝てるとは思えない。 …なら、どうすればいい?考えろ。 車は2台隣り合わせに止めてある。 2人は車の外にいる。 右の車に1人は運転席。 あとは、カスミを両脇から挟むように、後部座席に2人。 周りは深い森。 あの車が入って来たであろう、けもの道が1つ。 …クソッ。 少なくとも、このままじゃどうにも出来ない。 車外にいる2人。彼奴らが一番邪魔だ。 せめて彼奴らをどうにかしねぇと… …? 男達が何やら話し始めた。 …アレは、無線機?トランシーバってやつか?
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