ある兄妹の話し

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運転席の男が無線機を使い誰かと話そうとしていたが、様子がおかしい。 多分、返答がないのだろう。 すると運転席の男は、車外にいた2人に何やら指示を出した。 指示を受けた2人は廃墟に向かい歩いて行く。 …なるほど、アイツか。 これはついてるな。 俺がぶち倒したあの無精髭の男。 多分、アイツと連絡が取れなかったから様子を見に行かせたんだ。 …だとしたら、あの2人が戻ってくるまで往復で…10分、ってとこか。 これはチャンスだ。 何とかあと10分以内にカスミを助け出す事が出来ればいい。 だが、まだ3人いる。 …ふっ、3人程度なら殴り合いで何とか…いや、負けるな。うん。 3人は多いい。せめて2人…いや1人… 「………」 無精髭の男の時は不意打ちを食らわしただけだ。 まともな殴り合いをしていたら負けていただろう。 別に俺は腕力に自信がある方じゃねぇし、ましてや格闘技も習った事はない。 どうする? 今、手持ちの物で武器になりそうな物は… "チャリン" ポケットに入れた手に何かが触れた。 「…はぁ~ …ま、やってみっか。」 俺は携帯を操作し、右の車の後ろの方に投げた。 自分は左の車の影へと音を立てない様に移動する。 そして ~!~~! 携帯からランボーのテーマ曲(イッツ・ア・ロング・ロード)が大音量で流れ始めた。 …いや~いい曲だね。 やる気出るよ! あぁそうだ… やるしかないんだよ。
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