ある兄妹の話し

13/16
前へ
/62ページ
次へ
…まったく、嫌な仕事だ。 今回の俺たちの任務は女の子の"確保"だった。 今までも色んな任務があった。 人探しや廃墟の探索、それに誘拐や暗殺… 俺たちがそういう組織ってのは理解出来ているが納得はしていない。 それでも、それが最終的には多くの人達の為になる事だと信じてやるしかなかった。 確か、井川も同じ考えを持っていた。 井川っていうのは、今 運転席に座っている男の事だ。 冷静に状況を判断し、周りに指示をだす、俺たちのリーダー適存在だった。 今は気を失っているカスミという女の子。 この子を挟んで左にいるのは、前田だ。 こいつは…何を考えているのかよく分からん奴だ。 ただ、戦闘になるとコイツほど信頼できる奴もなかなかいない。 そんで俺は武石。 俺の主な仕事は情報収集だ。 今回の"カギを持つ少女"の確保も、俺の情報が元になっている。 …なんにせよ、俺達はよくこの3人で任務を共にしている。 今回みたいに他の組と協力する事もあるが、大体は3人だ。 今俺達は他のメンバーの帰りを待っているところだ。 今回の任務の指揮官"柊"と連絡が取れなくなった為、廃墟に2人戻っている。 …まさか、高校生のガキにやられたんじゃないだろうな…? まさかとは思うが、ないとは言い切れない。 高校生1人にやられるようじゃ、柊も知れたもんだな。 そんな事を考えていた時、 ~!~~! 車の外から場違いな音楽が流れて来た。
/62ページ

最初のコメントを投稿しよう!

1人が本棚に入れています
本棚に追加