プロローグ

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そう言って案内されたのは、オルガを挟んだ反対側だった。 そこには青年の死体があった。 「これがどうした?」 「まず最初に…これは人間の死体ではありません。」 「人間じゃない…? 確かに何でこんな物がココにあるのかは疑問だが、何だって人間じゃねぇと?」 「はい。この死体には腎臓や肝臓といった、本来有るべき臓器がありません。取り出されたというより、元から無かったと思われます。」 「はぁ?…どういう事だ?」 「最近まで生きていた形跡はあるのですが、必要な臓器が無かった為に死んだものと。」 「……つまり…どういう事だ?」 「つまり…我々人類以外が作った人間の模造品…と思われます。」 …おいおい……。 「……ははは…それは、スゲぇな…。」 自分でも顔が引きつっているのがわかった。 あり得ない…事ではない。 実際にオルガがあるのだ。 人類以上の科学力を持った者が人を作り出そうしたが、必要な物が分からず失敗した。 …つまりは、そういう事だろう。 そして… 「コレだけじゃ、終わらない…か。」 「…はい。場合によっては、オルガ以上に注意が必要です。」 「…だろうな。」 なにせ、人間に成りすました人ならざる者が、俺たちの中に潜んでいる可能性がある。 「そして…コレを作ろうとした奴等は、最近まで…ここに居たってわけか。」
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