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「ねぇダイコク...どいてくれない?」
声をかけては見たものの、案の定、聞いてはくれない。
それどころか、脇腹を丁寧に舐め、毛づくろいを始めていた。
「ねぇってば、そこに居たら掃けないでしょうがっ」
今度はもう少し声を張ってみると、ダイコクはチラリと目線を向け、尻尾を左右に振った。
答えは、"ノー" だ。
全く動いてはくれない。
こうなったら、強制的に退いてもらうしか方法はない...
掃き掃除が出来なければ、僕が怒られてしまうのだ。
持っていた竹ぼうきを逆さにし、ダイコクに向かって構えた。
大きく払うように、横一線...勿論、ただの脅しだ。
本気で当てようとは思っていなかったため、ダイコクのすぐ上を竹ぼうきが通過していく。
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