雨のち晴れ

27/30
4592人が本棚に入れています
本棚に追加
/420ページ
そこにお花畑も無ければ、小川も流れていなかった。 見えたのは、どこかの天井だ。 『倫広っ』 呼ばれた名前に、ピクリと反応する。さっきまで、自分を呼んでいた声だ。 目を向けると、髭面の男が覗き込んでいた。その顔を見て、一気に脳が覚醒した。 『倫広っ、大丈夫か?』 「照玄和尚...ここは?」 『病院だよ』 病院?...と、首を傾げたが、すぐに思い出した。 自分は、大場に殴られたのだ。 『危なかったな。これがなかったら、今頃お主は死んでいたぞ』 .
/420ページ

最初のコメントを投稿しよう!