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そう言って、照玄は黒猫のストラップを掲げてみせた。
咄嗟に引っ張った、このストラップ...
規格外の音波が鳴り響き、間近で聞いた大場は脳震盪を起こしたらしい。
駆け付けた警察が、倒れている二人を発見し、倫広はここに運び込まれたのだ。
まともな意識の中、使用したらと思うと、ゾッとする。
『お主のおかげで、大場は一連の罪を認めたそうだ』
「そうでしたか...なら、良かったです」
安堵の息を漏らすと、照玄は目を見開いた。
『良いわけないだろうがっ』
声を張り上げた照玄の顔は、怒りに満ちていた。
本気で心配してくれたからこその、言葉であることはわかる。
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