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1年前―・・・
「お願いです、先生!!部員だってこんなにいるんですよ!?なんでダメなんですか!?」
「ダメなものはダメだ。諦めなさい。」
「そんな・・・」
私は脳内でで怒りを拗らせた。
このクソ先公め。
その気持ち悪い顔で言われたら、更に腹が立つ。
「・・・失礼しました」
名残り惜しくも、職員室を出る。
脳内では怒りが収まらない。
「生衣―・・・やっぱダメ?」
「うっ・・・ふぅっ・・・ゲホ」
たかが部活のためにこんなに頑張って、こんなに泣く必要があるか。
部員の皆だって、そう。
訳がわからない、なぜそこまで作りたいのかわからない、でも、なぜか作らなきゃいけないきゃいけない気がした。その原因は、誰一人わからなかった。
でもみんなの気持ちは同じだった。
「大丈夫。」
林野先輩はにこ、と微笑んで
頭をポンポンと優しく叩いてくれた。
何故か先輩の「大丈夫」は本当に大丈夫な気がして、安心してしまう。
私はホッとしてしまって、目頭には涙がいつの間にか浮かんでいた。
「-・・・ありがとうございます」
その後、先輩のおかげで超常現象部は見事設立された。
でも?・・・
林野先輩が部長になり、超常現象部が設立されて1か月。
―・・・林野先輩は転校した。
私の初恋の人であり、超常現象部部員のために頑張ってくれた。
なのに・・・・
林野先輩が最後に残した言葉。
「俺が居なくなったら、生衣が部長になれよ。ヤクソク。」
先輩は大きくて暖かい自分の手の平を頭に「ポン」と落とした。
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