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目をこらしてよく見たフロリデは、すぐに気づいて表情を険しくした。
あれは精霊保護協会のローブだ。
男たちも同時に息を呑む。そのローブを着る人間は、彼らにとって町中で気楽に会える相手ではない。場合によっては逃げなければいけない。だが、
「……あの子、危ない」
クルトが呟いた。と同時。
ふらりと――娘は体を揺らし、そのまま地面に倒れ込んだ。
「………!」
フロリデは急いで駆け寄った。しとしとと降る雨はリズムを変えることなく娘の体に降り注ぎ、重くのしかかっている。このままでは体が冷える。即座にコートを脱いで娘の体を包みながら抱き起こした。くたりと力の抜けた体に反応はなかったが、体温も呼吸もある。まだ大丈夫だ――
「しっかりおし……! 二人とも、手伝ィな!」
呼ばれて、ゴードたちも慌てて走ってくる。雨に濡れた元居住区の一画がにわかに慌ただしくなろうとしていた。
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