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いきなり誘われてしまった受付嬢だったが、まったく動じていなかった。
まるでペットの足を扱うように、受付嬢はガヤルドの肉球をぷにぷにしながら言った。
「お茶? お茶……お茶ねぇ……あーっ! そうだ、いいこと思いついた! 猫ちゃん、今から私が『特製の』お茶をいれてあげるわ!」
なぜかころっと機嫌をよくした受付嬢は、ミトンをつけた両手で口をおおうと、うふふふ、と妖しげな声をもらした。ミトンのすき間からのぞく青い瞳からキラリと放たれたマガマガしい光に、ガヤルドの体は本能的に一歩後ずさりする。
だが、普段から獣人の中の漢(オトコ)を豪語するガヤルドが、女性からの誘いを断るはずもなく。
「やったね! じゃあ、遠慮なくっ!!」
しかし、ガヤルドが喜びいさんで受付嬢の手をとろうとしたところで、「ソレ」はやってきた。
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