一方的な思いは、しばしば拒まれる

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 蒼髪の受付嬢は、手元の分厚い依頼帳とガヤルドが渡したリストを見比べながら、口をへの字に曲げて肩をすくめた。 「うーん、猫ちゃんの希望のお仕事、ぜーんぶもう他のメンバーさんたちが契約しちゃってるみたい。ココって老舗だから、最初から依頼するギルドメンバーを指名してくるクライアントさんも多くて。朝一番に来てくれたのに仕事あげられなくて、なんかごめんねぇ」  可愛らしい眉間に、きゅっとしわが寄る。 「むー、つまんない。猫ちゃん向けのおもしろい依頼、何かないのかしら!」  むくれて依頼帳をパラパラとめくる受付嬢。ガヤルドは今だ! とばかりに受付台に身を乗り出した。 「あはは。調べてくれて、どうもありがとさん。でももう全部契約済っていうなら、仕方ねえからな。俺は今日暇になったことだし、せっかくだから、お昼に一緒にお茶でもしませんか?」  そしてすかさず、ウィンクも投げる!
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