本編

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電車に揺られること数分、私たちは隣町の駅までやってきた。ゲームセンターは、駅から歩いてすぐのところにある。以前アリスが男の人からクマのぬいぐるみをもらったところだ。 「ところで陽子」 「なに?」 「ゲームセンターに来たのはいいけどなにかしたいゲームでもあるの?」 「それがさー」 陽子はゲームセンターの地下に向かいながら続ける。地下は主に音楽ゲームなどが置いてあるフロアだ。 「最近耕太が太鼓のゲームにはまっててさ、私も付き合ってやってるうちにはまっちゃったんだよね」 「なるほどね。私はあんまりやらないけど、あのゲームは楽しいからはまるのも分かるわ」 「でしょー?」 陽子は楽しそうな表情を浮かべながら地下へと続く階段を降り、太鼓のゲームの前で足を止めた。陽子の楽しそうな表情は見ていて飽きないわ… 「綾、どうしたボーッとして?」 「はっ!…な、なんでもないわ」 「?」 いけない、私としたことが…。思わず陽子を見つめて固まってしまっていたわ。 陽子は筐体の横にカバンを置くと、その中から財布と自作のバチを取り出した。ずいぶんやり込んでるみたいね…
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