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私たちがプレイを終え、筐体の前から一旦よけたところに、ちょうど一人の男子高校生が入れ替わりでやって来た。着ている制服からしてうちの高校の生徒ね。
別にそれだけなら私は特にその高校生のとこを気には留めなかっただろう。
太鼓ゲームをやりに来ただけのただの高校生を気にする理由なんて特にないからだ。
なぜ私が彼を気にしたかと言えば…
「おっ、翔じゃん」
「おお、陽子も太鼓やりに来たのか?」
翔と呼ばれたその彼が、陽子と親しげに言葉を交わしたからだ。
彼と陽子の会話は続く。
「まあね、今日はちょっとだけやって帰るつもりだけど」
「そっかー、じゃあ今日はセッション無理か?」
「私もやりたいのは山々だけど、今日はこの後買い物とかしてから帰らないといけないし、日課のランニングもあるからねー」
「あ、じゃあ今度の土曜とかここに集まらないか?」
「お、いいねえ。土曜日なら午後の方が空いてるかな?」
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