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振り返らなくても牧田の声だってのは分かるけど、条件反射だな。
「別に、暇潰しだから少しずつしか賭けてないから、増えもせず、減りもせず、って感じ。そっちはどうした?」
俺の問いに黙ったまま顔を左に向ける牧田。
俺も視線を左に向けると、椅子に座ったまま拳をドンってゲーム叩いている戸川がいた。
牧田の勝ちなわけね。
あからさまに分かる戸川の行動が笑える。
「あれ、次がいないからいいけど、迷惑だよな。」
「確かにな。間宮、連れてきてよ」
「なんで俺?対戦相手の牧田が責任持って連れてこいよ」
「俺が行ったらもう一回って言われるだろう?もう、今日はいいよ」
ウンザリした様子の牧田に仕方ないって折れる、俺。
「はいはい、わかったよ。機械壊す前に連れて来ないとな」
立ち上がって戸川の所に向かう俺に牧田が声を掛ける。
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