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単なる偶然の所業だけど、こんな事にも自分と牧田の違いを感じる。
なんだろ、やっぱり神様に色々貰ってきた奴と、そうでない俺との違いみたいなもの。
何でも鮮やかに牧田はこなす。
それに対する俺の勝手な劣等感みたいなもの。
考えても仕方ないのに、つい比較してしまう自分、やっぱり小さいな。
「あ、連絡来た」
牧田の呟きが誰からの連絡かは聞かなくても分かってる。
「ちょっと行ってくる」
牧田は手を止めて、席を立つ。
「あ、増やしたメダル、お前の分で預けておくか?」
正確に何枚かは分からないけどな。
「あ?いいよ、元々お前のメダルだし。また来たとき遊ばせて」
細かい事は面倒くさがり屋の牧田らしい言葉。
「分かった。もう、預けるからな」
電話先に向かう牧田からは何の返答もない。
早く彼女と連絡取りたい気持ちしかないみたいだな。
そんなにも好きな相手がいるって、羨ましいな。
大量のメダルを出しながら、そんな気持ちになった。
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