絆～邂逅～

出逢い

茹だるような暑さ、確かにこの暑さの中でかったるい授業を受けるのはだるい。

面倒以外の何物でもない。

気持ちは分かる。

分かるけど、そこまで堂々と居眠りするのはどうかと思うよ、牧田。

俺、間宮圭一は美容学校1年生。

と言っても1年しかないけどね。

そして、俺の斜め前で寝ているのは牧田彰伸、ここで知り合ったから、まだそんなに付き合いは長くないけど、俺の後ろで大欠伸している戸川航平と３人で自然と連むようになっていた。

はっきりした顔立ちの美形、長身で女性がほっておかないが故に俺様な性格になった事が窺える牧田。

人なつこい笑顔と、口を開けばこちらの発言をさらりと上行く物言いをして、どこまで賢いの？と思わせるそのギャップが面白い戸川。

自分で言うのもなんだけど、物静かで誠実に見える俺。

三者三様な俺達が入学式で初めて知り合って、その日は言葉を交わすことなく終わったのだが、次の日からは当たり前のように3人でいた。