58人が本棚に入れています
本棚に追加
男の友情に理由なんてない。
いつの間にか気が合う奴と一緒にいる。
そんなもんだよ。
そして、俺は目指す職業も同じ訳だし、卒業後も情報交換がてら会い、切磋琢磨しながら成長する。
そんな関係でいたいと思える位、2人は大切な存在だ。
授業が終わったので、牧田を起こす。
「おい!牧田、授業終わったぞ」
机に顔を横向きにくっつけて、完全に寝ているよ。
整った顔立ち、長い睫毛、まじまじと見る牧田の顔は綺麗で、女にモテるのも頷ける。
だけど、世間の男共から羨ましがられる容姿のくせに、遊ぼうと思えば選り取り見取りなくせに、牧田は意外にも彼女1人を大切にしている、らしい。
この熟睡具合は彼女とデートだったのかもな。
お幸せで何よりだね、全く。
起きそうにないので、今度は体を揺り動かした。
「…ん…あ?…今何時?」
目は閉じたままそう長く寝ていた訳ではないのに掠れた声で聞いてきた。
「1時57分、後3分で実技始まるから、目を覚ませよ」
最初のコメントを投稿しよう!