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「あとアレだよ、学校の女子率の高さ。そんで、男友達の少なさ。女の子としか話せないのかって、少しイラッとする」
「で、でも…先輩、男子と話しているところ…私、見たことないです」
そう言うのは角川須仁佳(かどかわすにか)。黒髪で片目が隠れた、一年生の少女。少し大きめなセーターの袖で、指先しか見えてないのも特徴だ。
「須仁佳ちゃんにはわからないだろうなー、俺だって男友達はいるさ」
「えっ、でも…」
「二年生になるとね、クラス変えがあるんだ。その時に全ての男友達とバラバラになっちゃって…残ったのは富士見だけだったんだ」
「何よ、私じゃ不満?」
「いや、独りぼっちより何倍もマシだ。ありがとな、富士見」
「…私は嬉しかったのに…バカ」
結愛が何か呟いたようだったが、何と言ったのかよく聞こえなかった。…会長、何でそんな顔で首を振ってるんですか。
「ていうか、この生徒会も女子ばっかですよね。去年も男は俺一人だったし」
「男子はあまり積極的じゃないからねー、そう言うの」
「それでも生徒会をやる来藤先輩…素敵です」
「生徒会やってるくらいでそうやって言うもんじゃないぞ、須仁佳ちゃん。はっはっは」
須仁佳の頭を撫で回す俺。妹がいるせいか、年下の頭を撫でるのは全く抵抗ないんだよな。
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