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用を足した俺は颯爽と生徒会室に舞い戻る。先程まで何も書いていなかった黒板には、幾つかの箇条書きが残されていた。
「おっ?これ、さっき俺が言ったラノベの改善してほしい点じゃん。さすが富士見、我らが書記だな」
「ら、来藤!ちょっと質問あるんだけど良い?」
「なんじゃらほい」
「あんた今までに、パンくわえた女の子と出会い頭にぶつかったり」
「やたらと家事万能な幼馴染みがいたり」
「妹さんのお友達に『お兄ちゃん』って呼ばれてたりとか…し、してませんか?」
「…えっ?」
唐突に投げ掛けられた3つの質問。これは一体、どういう意図があるんだろうか?
「まさか、そんなのないない。漫画じゃないんだからさー。はっはっは」
「………」
あれ、なんだろうこの空気。もしかして俺、イラッとされた?何で今日の生徒会室は変な空気になりやすいんだろうか。
「と、ともかくだ。ここに書いてあることが、俺がラノベにとって改善してほしい事案であることには間違いない」
空気を払拭するため、俺は黒板を赤いチョークで小突きながら語る。
「よって、この要素を抜く、あるいは変えた作品を少し考えてみようと思う!」
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