責任

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吉野の話によると、 さっきのエレベーターの中で 男の手が吉野のスカートの中を 探っていたらしい。 相手の男は、 営業促進部の倉本。 「一度だけ複数の人達と 一緒に飲みに行ったんですけど… その時に酔い潰されて、 写真を撮られてしまったんです」 「…どんな?」 「その…脱がされてる写真…」 …唖然としてまった。 ってちょっと待て。 「なぁ吉野、 正直に話してくれるか? 吉野はその…倉本と…?」 「してません!!」 声を荒らげて言った吉野に 逆に俺がビクンとしてまった。 「お…おう…分かった。 せやけどなぁ吉野、 さすがにこの事は 東雲部長に相談した方が ええんやないか? 東雲部長ならきっと お前の事を守ってくれるで」 あまりの深刻さだけに 俺は絶対その方がええやろと 思って言ったのに。 吉野は唇を噛みしめて ポツリと呟いた。 「嫌です。 東雲部長は…私、嫌いなんで」 「なんでやねん」 「だって…部長私に言ったんです。 辞めたいなら勝手にどーぞって。 部長はきっと私が嫌いなんですよ」 そう答えて吉野は 弱々しく笑みを見せた。
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