終章

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一瞬でも一秒でも貴方の心を捉える事が出来るのならば。 将来に漠然と不安を抱えていた自分が突然落ちた恋は、そんな一瞬に全て捧げられる情熱を抱くものだった。 それ程の情熱を持てる相手と巡り合った幸せは、それだけの辛さも私に与えるものだった。 自分の想いは儚く散ってしまったのだと絶望した事もある。 でもそんな自分を支えたのは、何気ない日常の中取り巻いている環境や友人達。意味の無いただ流れてる日常は、本当はかけがえのないものだと気付かされた。 だからそのまま散るだけでなく、散る事を知っても咲き誇れる強さを私は持ちたいと思えた。 こんなにも大切に思える人と出会い、情熱を傾けた全てを誇れる自分でいたいと思えたから。 叶う、叶わないじゃない、生まれ出た想いはきっと尊いものなのだと信じたいから。 これから2人でいる事で、色んな事があるかも知れない。 2人でいるからこその問題にぶつかる事だってあるんだろうと思う。 でも大丈夫だと思えるのは、彼が傍にいてくれるから。 貴方が太陽のように私を照らしてくれるのなら、どんな冬でも私は乗り越えられる。 そしてきっとまた咲き誇る事が出来る。 それはどんな事も乗り越えていく強さとなって、貴方を支えていける自分になっていけるはずだ。 桜のように儚く散っても、ふたたび咲き誇れる強さを。 貴方と私にはきっと、満開の桜のような美しい未来が待っていると信じて。  ―― 終 ――
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