2008年9月某日 不明  秋月

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一面の闇が俺達を包み込んだ。 明かりなどないのに俺達はお互いを、はっきりと確認出来る。 「秀……何なんだよ、これ?あんな凄い力を持ってる奴なんかに勝てるのか?」 「……現実世界でも空間を歪める程の力を持ってるなら、万全でも難しいだろうな……でも、ここは〈誰か〉の夢の中なんだ……それも可能だろうよ……。」 「どうゆう事だ?」 「お前も1度ぐらいあるはずだぞ……?空を飛ぶ夢を見た事あるだろ?現実では出来ない事が夢の中では可能になる……多分そうゆう原理だろ……今の俺達には出来ないだろうがな……」 『本当に賢いですね~。確かに私には、そんな力ありませんよ~。此処が夢の中なので可能なんです~。〈誰か〉の夢か解らない貴方達には真似出来ませんけどね~。』 相変わらず種明かしが好きな野郎だ。 こいつは〈雲外鏡〉に吸い込まれた智治を、この夢へと誘った。 つまりは、〈雲外鏡〉と〈ジョーカー〉は結託している事になる。 恐らくは〈奴〉の夢の中なのであろう。 ……もう少し情報を引き出してみるか…… 「……そして、智治が急に〈生気〉を取り戻したのは俺の〈霊力〉が空に近いからだろうな……あの仮面野郎に俺の〈霊力〉が、どれぐらい残ってるかなんて見抜く能力は無いだろうが、今の俺が弱ってるなんて、誰にでも解るからな。俺が完全に〈霊力〉を無くしてから智治を殺すつもりだろう……」 「マジかよ!?でも何でそんな面倒な事するんだ?放っておいても何れは俺、勝手に死んだんだろ?」
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