2008年9月某日 不明  秋月

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闇が開け、光が広がる。 俺達は最初のステージへと飛ばされた。 「……日本庭園?」 池には鯉が泳ぎ、木々は紅葉している。 空は茜色に輝き、鰯雲がそよぐ。 うっすらと見える月。 風に舞う落ち葉が何処か懐かしい臭いを運ぶ。 目の前に広がる庭園を覗く和室に俺達は居た。 「何か秀の実家みたいだな。」 「……家の方が広い……」 秋を思わせる此処が最初のステージらしい。 俺はトランプを取り出す。 「……これがヒントとか言ってたな……こんな純和風の空間に、こんな西洋のトランプがヒントなんて解らん……」 ハート、クラブ、ダイヤ、スペード…… それぞれがエースのカード…… 1? 謎解きは烈人が得意なんだがな…… 俺じゃあ頭が固すぎる…… 「……智治……何か解るか?」 「4つのステージとか言ってたから、そのトランプの一つが此処の何処かにあるアイテムのヒントなんだよな?取り敢えずトランプのマークの物がないか探してみるか?」 確かに立ち止まってても仕方ないしな。 色々探してみるか。 「……それじゃあふたてに別れるぞ?此処には俺達以外誰も居ないみたいだから、危険はないだろうが用心はしてくれ。何か見つけたら叫べば聞こえるだろ……」 俺達はそれぞれ、怪しい物が無いか探索を開始した。
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