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「何で、こいつだけ剣持ってんだ?」
「……それだ……それが、鍵だ……」
「えっ?ヒントはトランプだぞ?Kのカードだと、剣持ってるけど、エースだぜ?」
「赤いスペード、それが答えだ。」
「俺達が普段使ってるトランプのマーク……スートとも言うんだが、これはフランス式のスートなんだ。今ではこれが一般的になっているが、タロットに使われる小アルカナのラテン式スートは違うんだ。」
今では誰しもが1度は遊んだことのあるトランプ。
そして、占いの代表格であるタロット。
この2つに接点があるのをご存知だろうか?
諸説あるが、トランプのマークはタロットの小アルカナと呼ばれるスートが元だと言われている。
よく目にするタロットのスートは大アルカナと呼ばれているが、その話はまた後日としよう。
「ラテン式でスペードを表すスートは剣なんだ。」
俺が甲冑から剣を取ると、周りの鎧兜、甲冑が動き出した。
「な、何だよ!?コイツら!」
気配を感じない。
恐らくは〈ジョーカー〉が操っているのだろう。
戦おうにも、この剣はレプリカ。
殺傷能力などない。
「……刀の方が得意なんだがな……」
俺は剣に〈霊力〉を込めて鎧を一閃する。
所詮は傀儡。
大したことはない。
「……流石は秀だな……でも、お前〈霊力〉が……」
何かを言いたげな智治の口元を抑え俺は小言で話す。
「……ストップだ。種明かしは後でしてやるから、次に行くぞ?」
「でも、どうやって次に行くんだ?」
俺は先程まで剣を持っていた甲冑の足元を指差す。
「……隠し階段ってやつだな。恐らく此処が出口なんだろ?行くぞ。」
ステージは後3ヶ所。
ヒントが解けた事で次からは探す物が絞られる。
それに……栞の仕業だな……
「帰ったら、礼を言わないとな……」
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