2008年9月某日 不明  秋月

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「何で、こいつだけ剣持ってんだ?」 「……それだ……それが、鍵だ……」 「えっ?ヒントはトランプだぞ?Kのカードだと、剣持ってるけど、エースだぜ?」 「赤いスペード、それが答えだ。」 「俺達が普段使ってるトランプのマーク……スートとも言うんだが、これはフランス式のスートなんだ。今ではこれが一般的になっているが、タロットに使われる小アルカナのラテン式スートは違うんだ。」 今では誰しもが1度は遊んだことのあるトランプ。 そして、占いの代表格であるタロット。 この2つに接点があるのをご存知だろうか? 諸説あるが、トランプのマークはタロットの小アルカナと呼ばれるスートが元だと言われている。 よく目にするタロットのスートは大アルカナと呼ばれているが、その話はまた後日としよう。 「ラテン式でスペードを表すスートは剣なんだ。」 俺が甲冑から剣を取ると、周りの鎧兜、甲冑が動き出した。 「な、何だよ!?コイツら!」 気配を感じない。 恐らくは〈ジョーカー〉が操っているのだろう。 戦おうにも、この剣はレプリカ。 殺傷能力などない。 「……刀の方が得意なんだがな……」 俺は剣に〈霊力〉を込めて鎧を一閃する。 所詮は傀儡。 大したことはない。 「……流石は秀だな……でも、お前〈霊力〉が……」 何かを言いたげな智治の口元を抑え俺は小言で話す。 「……ストップだ。種明かしは後でしてやるから、次に行くぞ?」 「でも、どうやって次に行くんだ?」 俺は先程まで剣を持っていた甲冑の足元を指差す。 「……隠し階段ってやつだな。恐らく此処が出口なんだろ?行くぞ。」 ステージは後3ヶ所。 ヒントが解けた事で次からは探す物が絞られる。 それに……栞の仕業だな…… 「帰ったら、礼を言わないとな……」
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