2008年9月某日 不明 冬雪

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辺り一面の銀世界。 俺達が辿り着いたのは……吹雪で何も見えないな…… 「さ、寒い……ひ、秀は、な、何ともないのか……?」 「ああ……お前、肉体だもんな?俺は精神体だからな。多少は寒さを感じるが平気だな。」 「……何処か、建物な、無いのか?し、死んじまう…………」 ヤバイな、確かに顔色が悪いし、なんかブルブルしてる。 とは言っても、この吹雪じゃ何も見えない。 その時………… 「?歌声?誰かが唄ってるのか?」 「……あの世のお迎えか……何か、温かくなってきた……」 智治が不味いことになってるな。 取り敢えず歌声のする方へ行ってみるか。 手掛かりがないし、何よりも智治が本当に死んじまう。 俺は智治を背負うと歌声の方へと歩き出した。 暫くすると、目の前に建造物が現れた。 「館?取り敢えず入るか。」 俺が館の扉に手をかけると先程まで聞こえた歌が止まった。 そんな事よりも智治を何とかしなければ。 館の中に入り、正面にある扉を開く。 大広間らしく、俺は直ぐ様暖炉に近づいた。 「助かった。薪は使えそうだ。確か、智治がライターを持ってたな。」 俺は暖炉に火を付け、智治の回復を待つ。 時間が限られてるとは言え、智治をこのままには出来ない。 かといって智治を放置したまま探索を行うのも危険だしな。 「取り敢えず、この部屋だけでも調べるか。」 洋風の物が綺麗に配備さらている室内は御丁寧にシャンデリアに明かりが灯っており、一目で部屋中が見渡せた。 お約束の絵画は暖炉の直ぐ上に飾られている。 「今度はダイヤか……なら貨幣だよな?それよりさっきの歌は……」 妙に気になっていた。 確か〈とおりゃんせ〉日本の童歌だよな。 今に始まった事じゃないが、この洋館には不釣り合いだ。 「……うん?秀?此処は?」 智治が目を覚ました。 智治には悪いが、探索を始めるとしよう。
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