2008年9月某日 不明 冬雪

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反対の通路も幾つか部屋はあったが、特に目ぼしい物は発見できない。 無数のぬいぐるみや人形が、どの部屋にも飾ってあったが、怪しい物はない。 俺達は二階へと足を運ぶ。 「前のステージも一階にヒントがあって二階にアイテムがあったよな?なら、此処も二階にあるのか?」 「まぁ、一階に無かったから、二階に無いと困るからな。」 二階も造りは一階と同じで目の前に大きな扉、左右に廊下が伸びる。 目の前の扉を開こうにも開く気配がない。 無理矢理壊してもいいが、アイテムがこの中にある場合、衝撃で壊れる可能性がある。 俺達は諦めて左右の廊下から調べる事にした。 幾つかの扉が並ぶ廊下だが、どの部屋も同じ造りで恐らくは客室なのだろう。 同じベッドやランプが置かれている。 違うのは置かれている仮面の種類が違う事ぐらいだった。 「仮面を見てると、あの野郎を思い出すな。」 「でもさ、こおゆう仮面って綺麗だよな?日本のは、なんか不気味なんだよな~。鬼とか天狗とかさ。」 「そうか?俺は日本の面の方が好きだけどな。家にも飾ってあるだろ?」 「秀の家は広いから遊ぶのには最適だったけど、子供の頃は怖かったんだぜ?面に日本人形や鎧兜、動きそうでさ。それにお前の親父さんがいっつも驚かすんだもんな。」 そういえば親父のやつ、いっつも面を付けて追いかけ回してたな。 お袋も笑って止めようとしないし。 本気で泣かせて従者に怒られてたな。 俺は死ぬほど恥ずかしかった記憶しかないけど。
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