2008年9月某日 不明 冬雪

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大きな扉に鍵を差し込む。 ガチャリと鍵は外れ扉が開いた。 ダンスフロアなのだろうか、仮面舞踏会を思わせる人形が沢山並んでいる。 部屋に入り込むと急に音楽が聞こえてくる。 「?これは俺でも知ってるぞ。運動会で聞くやつだな。」 「……題名は?」 「…………運動会組曲……?」 「……天国と地獄だ、正式には地獄のオルフェ。ジャック・オッフェンバック作曲の全2幕4場のオペレッタだな。ちなみに俺達がよく知っているのは序曲第3部だ。」 「作用っすか……ん?秀、あれ……」 智治が指を指した場所には世界各国の硬貨が飾られていた。 日本の円もある。 「あの中に鍵となるアイテムがあるらしいな。」 「マジかよ……あの中って、目茶苦茶種類があるぞ?それに人形が邪魔だ。」 日本円だけでも6種類、それが世界規模になると、数百種類。 それでも、答えは簡単だ。 「そんなの、どこの国でも使われていない硬貨が答えだろ?簡単だ。人形だって、どうせ硬貨を取ったら襲い掛かってくるんだから、排除しとけばいいだろ?」 「……日本の円しか解らねえよ……」
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