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モニターに映る人影。
間違いなく行方不明の同級生、飯塚智治であった。
「……見つけたのはいいが、丸焼きとか言ってたよな……」
俺は急いで隣の車両へと向かう。
扉を蹴破ると智治が居た。
「探したぞバカ野郎。とっとと、こっちに来い。」
智治は首だけを俺の方へ向ける。
うわ~。
今や日本球界のエースがなんて顔して泣いていやがるんだ。
「秀~!動きたくても動けねえんだよ!さっきからモニターに映る秀の所に行こうとしたんだけど、体が動かねえ!」
〈金縛〉か?それなら〈術者〉を倒せばいいんだが、あのピエロにそんな力があるのか?
俺が動けない智治に近づこうとすると、奥から容器を手にしたピエロがやってきた。
僅かに漂う悪臭、この臭いは……
「ガソリンか?丸焼きどころの騒ぎじゃねえだろ。」
智治にガソリンを浴びせようとするピエロ。
俺は即座にピエロを蹴り飛ばす。
容器が宙を舞い、中のガソリンがピエロに降り注ぐ。
「今、〈術〉解くから待ってろよ。」
俺は智治に施されている〈術〉を解こうとした。
「……あれ?動けるぞ……」
智治にかけられた〈術〉が解けていた。
取り敢えず、ここから離れないとな。
俺が智治に肩を貸し、離れようとすると、ピエロが立ち上がり、自らの体に火を付けた。
『キャハハハハハハハハッ!』
こいつらイカれてる。
俺は智治と共に先頭車両へと向かう。
たちまち車内は火の海と化し、黒煙が覆う。
何とか1号車まで来た俺達。
後ろの車両からは爆発音が聞こえた。
『ホントにしぶといですね~。間も無く終点ですよ~。そこで終わりにしましょう~。次は処刑丘~。処刑丘~。終点です~。』
望むところだ。
早く終わらせて他の奴等を探さなきゃいけないからな。
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