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「やだ、降ってきちゃった……」  6月の半ばを過ぎた頃。季節はすっかり梅雨の時期。 「やべー、傘忘れた」 「天気予報、見ましょうよ。午後から雨ですよ」  ホント、じめじめして憂鬱だ……。 ……あの日からずっと、彼とは連絡を取らずにいた。精算に来るはずの金曜も、早番だったり本社に行ったりして顔を合わせてない。  A倉庫の視察は1度入ったけど、手元や目の前に集中して、すれ違ったとしても気付かないようにしていた。  本当は顔を見たいし、声も聞きたいんだけど、今はその気が起きない。  どう接していいのか、わからないでいた。
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