3049人が本棚に入れています
本棚に追加
/356ページ
「やだ、降ってきちゃった……」
6月の半ばを過ぎた頃。季節はすっかり梅雨の時期。
「やべー、傘忘れた」
「天気予報、見ましょうよ。午後から雨ですよ」
ホント、じめじめして憂鬱だ……。
……あの日からずっと、彼とは連絡を取らずにいた。精算に来るはずの金曜も、早番だったり本社に行ったりして顔を合わせてない。
A倉庫の視察は1度入ったけど、手元や目の前に集中して、すれ違ったとしても気付かないようにしていた。
本当は顔を見たいし、声も聞きたいんだけど、今はその気が起きない。
どう接していいのか、わからないでいた。
最初のコメントを投稿しよう!