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「泣いてもいいとは言ったけどちょっと泣きすぎ……」
「……涙腺壊したの……誰だと思ってんのよ……」
泣き顔に彼の手が触れ、距離が近くなる。完全にキスの体勢。
「待って……ここじゃ……ちょっと恥ずかし…………」
言葉を発してる途中で唇を塞がれた。ほんの数秒なのにやっぱり甘くて、凄く長く感じる。
「……誰も見ちゃいないって」
「もう……」
そしてつないでいた手をほどき、あたしを抱き寄せた。
「……俺がここに来たいって言ったのはね、辛い思い出のままにしてほしくなかったから」
頭を撫でながら優しい声で語りかける。
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