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「消すことは出来ない。だったらいい思い出を重ねればいい。……もう1度、思い出作ろう?」
「……うん」
「随分遠回りしたけど、遅くなった訳じゃない。これからだよ」
彼の言葉に応えるようにあたしも背中に手を回す。温もりに、癒されていく……。
「好き、じゃ足らない。……愛してます」
そう言ってあたしの髪にキスを落とした。
何だか、全て報われたような……そんな感じ。
「……ナオ君……」
「……ブランクどこにいったの?」
「……知らないよ」
時折吹く夏の風も、波の音も、ライトアップされた夜景も全てあたし達を包みこんでくれている、そんな気がした。
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