エピローグ

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 あたし達の得意な事は、誰がみても正反対だ。  高いレベルでスポーツをやり続けていた体育系のあたしと、天才的センスで音楽を極めた文化系の彼。  共通するものなんてない、ずっとそう思っていた。  でも、よく考えたら何かに特化した人って極端に苦手なものが大体1つはある。  偶然にもそれが2人とも『恋愛』だったなんてね。 『恋する気持ちだけは素直になれなかった』あたし。 『恋する気持ちに気付くのが遅すぎた』彼。  言うなれば『恋愛不器用』。だから内に秘めた想いをずっと抱え続けて生きてきた。  でもそれで良かったんだ。遠回りしなきゃ幸せに辿り着けなかったかもしれない。  恋に不器用だっていいじゃない。むしろ一途でいられるから悪い事なんて無いと思う。
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