エピローグ

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 また手をつないで、人の少ない海岸近くをゆっくり歩く。やっぱり、落ち着くなぁ。  単に手の温もりなのか、それとも彼の人柄が滲み出てるのか。安心する……。 「あっ…………」  彼の鼻歌が聞こえてきた。知らない歌だから即興かな?  それでも男性の声とは思えないくらい綺麗。というか甘い声。しばらく聞き入ってようかな……。  そういえば、あたし達を再び繋げたのはライブイベント……要するに『音楽』。  彼がもし音楽に対する情熱を失っていたら今が無かったかもしれない。そして……、  これから音楽業界という未知の世界に飛び込む彼。実力だけではどうにもならないこともきっとある。  彼も、一緒にいるあたしも普通の日常はおくれなくなるのではないかと思う。  覚悟は出来ててもまだまだ不安は残る。
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